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オレンジ色の場所

 

 

ばななさんの小説を読んでいる途中で、

バスの中から外をふっと眺めた。

 

日が暮れだした鴨川には、あたたかい光を存分に浴びた人々。

帽子をかぶって散歩するおじいちゃんや、トランペットを練習する青年、

犬を連れて散歩するお母さん。たくさんの人がそこにいた。

 

 

狭く苦しい感じがするこの都会の中で

あそこは別空間。巨大な暖流が押しては引いて、人を生き物をまるまる包みこむ。

 

 

鴨川には、神様が少しだけ降りる瞬間がある。

 

 

 

 

 

男性とか女性とか生きる意味とか世界の成り立ちとかを正確にわかる

ばななさんは、同じ世界には生きていない気がする。

 

少し離れた空の上、あるいは海の中から

文字を使って音符を送ってくれている天使だ。

 

メロディーに犯された私はハワイに行かなくちゃいけないという気持ちになりました。

 

 

私のいる、世界の遠く離れた場所では

すばらしく気持ちの良い世界もまた時間をゆがめながら存在している。

そのことだけで救われる思いがしました。

 

 

目の前のことでいっぱいいっぱいになって

自分の見ているものだけが全てと思いそうな時は

 

この本に載っている景色を、風景を想像して

 

深呼吸して、気持ちを落ち着かせようと思います。

 

 

 

ばななさん、こんなすばらしい小説をありがとう!!!

 

 

 

 

「サウスポイント/よしもとばなな」