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せいしゅん。

 

31巻が、うそのようにあっという間だった。

読んでる間は、バリバリの輝きの中にいる彼らが

うらやましくて、格好良くて、

葛藤する姿がじれったくて、

私まで青春してるみたいになった。

 

もう読んだことのある人に、

「登場人物で一番誰が好き?」と質問して

「全員。」と答えられようものなら、

「そうだよねえ…私も!」と答えることになる。

 

私もこんな風に、真剣な青春してみたかったなあ。

 

 

 

私が唯一やったことのあるスポーツは卓球で、

どうしても部活に入らないといけない、見えない制度のある田舎の中学で

どうにか自分にやれそうかもと、苦し紛れに選んだのがたった一つの理由だった。

 

県で最弱のチームだった。

 

私はそのチームの中でも、どべか、どべから二番目くらいの位置にいた。

 

 

すこし言い訳をするなら、私はスポーツがとても苦手だった。

運動、という意味でも苦手だし、人と順位を争うことがとにかく、うしろめたかった。

少しでも自分が勝ちそうになったら、わざと

ミスをしたり、できないふりして、負けた。最悪だ。

 

卓球では、負けることが上手になった。

 

そんなスポーツマンシップなんて言葉を言おうなら殴られてしまいそうな私が、

25歳の夏に「スラムダンク」を読んだ。

 

 

勝つことはなんて格好いいんだろうと思った。

 

勝つことに賭ける、執念が、気持ちが格好いいのだ。

勝ちにいくために積んだ時間が、身体が。

仲間への信頼。一人じゃできないことを知ること。

 

 

 

卓球で、真剣勝負をしてくれた全員に謝りたい。

強力なスマッシュを軽いフォアで返し続けるプレイ。

御手洗さんは、相手に戦闘意識を失わさせていくやり方、なんて

優しすぎる顧問の先生が引退するときに手紙に書いてくれていたけど、

ただのずるい奴だった。すみません。

 

 

絵を、言葉を書いて、うまくいかなくて、

普段も考えることが多くて、たまにうまくいったり、

落ち込んだり、元気になったり。

いろんな人に支えられながら

もがいている25歳、今のほうが

ずっとずっと私にとって青春なのだった。

 

がんばれ。

 

 

 

「SLAM DUNK  / 井上雄彦」