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つかまれる。

 

最近のマイブームといえば、バイトまでの空いた時間、近くのカフェで

昔のクウネルを読み漁ることである。

 

まず、ずらっと整列した背表紙から今日読むクウネルを選ぶのだが、

なんて素敵なコピーたちなのだろうと、本棚を前にしてため息が出る。

 

「愛は、ふわふわ。」

「アロハ―。」

「おいしいコーヒーはいかが?」

 

端的で、清潔で。愉快な感じが伝わってくる。

 

 

次に、右手の人差し指でクウネルを取り出す。

なんて素敵な表紙なんだろう・・・とため息に輪がかかる。

 

「クウネル」という文字と、写真のすきまが絶妙だ。

白い余白がきれい。

コピーの入れ方も、もう、大好き。

 

できる限り大事に両手で本を抱えて、

(3冊まで席に持って行っていいマイルールは犯さない。)

一息ついたらようやくページをめくりだす。

 

 

両手で持ってみたり、本の左側だけ机に置いて右手でページをめくったり、

思うがままにクウネルの紙の素材を楽しむ。

雑誌なのに表紙がやわらかく、中の紙はつるつるしたコート紙で

とても薄い。

ああ、これ。雑誌のこの感じが大好きだ。

 

時々両手で持ち上げて、匂いを嗅ぐのも忘れない。

 

大好きな高山なおみさんの連載。江國香織さんとお姉さんの手紙のやり取りが

直筆で載っている。ワクワクしない筈がない!

身近なものでできる掃除のやり方。(図解)

最後のほうでは、川上弘美さんが短編を連載している。

その、押絵がまた素敵だこと!

文庫で読んだはずの、修三ちゃんとアン子ー中林さんをめぐるーの話を

本誌でもう一度読んで、涙が出た。

 

なんて贅沢な雑誌なんだろう。

思わず表紙を撫でている。

欲しいけど、もう売ってない。

そのことがより愛おしくさせる。

 

 

暮らしは、不変じゃない。どんどん変わる。時代とともに。

だからこそ、型にはまらない、自由でユニークな雑誌って楽しい。

雑誌はきっと、私たちの生活に一番近い「本」だから、

ぴったり寄り添ってくれると、うれしいし、頼もしいのである。

 

 

さて、気付いたら平気で一時間以上経っていて、

クウネルを本棚にそっと戻し、そそくさとお会計をするのだった。

 

 

「クウネル / 編集長:岡戸絹枝」

 

 

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コメント: 1
  • #1

    ふなやまさほ (木曜日, 31 5月 2018 00:40)

    私も昔のクウネルだいすきです〜毎号毎号の特集の組み方がほんとに素敵ですよね。いろんな人の生活や人生、大切なものを見せてもらえる雰囲気もすきですー!